糖尿病と骨折-骨粗しょう症

糖尿病患者さんの骨折の危険性

 

糖尿病患者さんは骨折の危険性(リスク)が少し増えます。

『生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド2019』では、生活習慣病の中でも

・糖尿病

・慢性腎臓病
COPD(タバコ)

3つのうちの何かしらある患者さんには、骨折リスクを減らすために対策を奨めています。

 

骨粗鬆症の治療には、『骨折リスクの計算式(FRAX)』を使うことが多いですが、糖尿病患者さんの場合は、骨折率が低く見積もられてしまうことがあります。

 

糖尿病がある場合、糖尿病がない場合と比べて、骨折リスクが1.38倍から2倍ほどの上昇すると報告されています。

 

 

糖尿病患者さんの転倒リスク

糖尿病患者さんは、非糖尿病患者さんと比べ1.64倍転倒リスクがある、とされています。
例えば、鳥羽ら の『転倒スコア 簡易式チェックシート』は転倒リスク評価・ツールの一つです。国立長寿医療センターのPDFは、読みやすく解説がわかりやすく、家の中を整えるのにも参考になると思います。

 

国立長寿医療センターのPDF

 

糖尿病の治療と骨折予防

糖尿病のある場合、血糖値が高くコントロールが悪いと、骨折の危険性が高まります。

 

Rotterdam研究では、『HbA1c7.5%以上で1.62倍』『HbA1c7.5%未満だと、非糖尿病患者さんと同程度』と報告されました。糖尿病と診断された後は、血糖値を良い状態に保つことが将来の骨折予防にも良いと示唆されます。

 

ただ、糖尿病の治療だけで骨折リスクが低下するか、については、まだ議論中です。

 

もう、今の時点で骨折リスクが高くなってしまっている場合には、骨折リスクを下げるための対策が必要です。

 

 

骨折の予防方法

骨折リスクを評価し、骨粗鬆症の治療を行ないます。

糖尿病のある患者さんの場合には、骨密度の数値だけではなく、いろいろな項目を総合的に評価し治療方法を相談します。

『生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド2019』では、『罹病歴10年以上、HbA1c7.5%移乗、インスリン使用、閉経後女性チアゾリジン使用、喫煙、重症低血糖が危惧される薬物使用、転倒リスクが高い、サルコペニアがあれば治療開始を検討する』とする骨密度と骨折歴の組み合わせがありますので、それぞれの状態に応じた治療を行ないます。

 

骨折に影響がある糖尿病治療薬

糖尿病の治療に必要な薬、欠かせない薬がありますので、そちらを優先していただければと思いますが、骨折に影響がある糖尿病治療薬としてはチアゾリジン薬の報告があります。

 

骨粗鬆症の検査

DXA検査・・骨密度評価のために有用な検査です。

糖尿病診療ガイドラインでは、どのように記載されているか

日本糖尿病学会が発行しているガイドラインでも、『糖尿病と骨代謝』という項目で記載があります。クリックいただければ閲覧できます。

http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/gl/GL2019-appendix-02.pdf

骨粗しょう症の治療薬と糖尿病の関係についても記載されています。

 

まとめ

糖尿病では、骨折リスクに対する対処が大切です。

治療は数値だけではなく、それぞれの患者さん毎に適切に評価し、考える必要があります。

 

 

 

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